多古町大移住計画

tamaの葛藤
(1998年5月〜8月)

tama(我が家の初代の猫)は、八日市場のコインランドリーで、段ボールの箱の中でミャーミャーないていたのを我が家の子供たちに拾われて、家族の一員になった。
生まれて間もない雄の可愛い子猫だった。

以来、畑に行くときは勿論、出かけるときはいつも、子供らと、家族と一緒だった。
団地の狭い部屋の中では当然満足できずに、「飼ってはダメよ!」と言う団地の中を、塀を伝って遊びに出かけたりしていた。

週末にに来ると、広い原っぱや山の中で、いつも大喜びで遊び回っていた。
いつも車で出かけまくっていたので、珍しく車に強い猫になっていた(^^;

多古町に引っ越したら、tamaも毎日を思いっきり遊べるなぁと、みんな思っていた。
ところが。。。

何十年と空き家になっていた家は、近所の家猫の縄張りになってしまっていたのだ。
そこに、新しい猫が突然やってきた。それも、今まで縄張りにしていた猫たちよりも遥かに若造の猫だった。
彼らは、縄張りを荒らされるのを嫌い、当然阻止しようとした。

tamaは気が優しくて、おとなしく、シャイな感じの猫だった。
多古町に引っ越して、我々家族が、ちょっと町まで買い物とかで出かけたりすると、帰ってきたときには、必ず、今まで居ついていた猫たちが家に入り込んだ痕跡があって、tamaの姿が見えなかったりした。
可哀想に、tamaは怖がって、色んなところに必死で隠れていたらしい。

ある、夏が近い夜、座敷でみんなで川の字になって寝ていた。
tamaも一緒に寝ていた。
寝静まった真夜中、何と、我々と一緒に寝ていたtamaのところにまで、他の猫が入り込んで襲いかかろうとした。

騒ぎに目が覚めた我々に、逆に驚いた他の猫が、私の顔の上をバサっと、飛ぶようにして逃げていった。
朝、私の右腕が何かヒリヒリするなぁと思っていたら、猫が逃げていくときに、思いっきり引っ掻いたらしい爪のキズが数本残っていて、血がべっとりと半乾き状態になっていた。

こんなところまで追いかけてきて襲いかかろうと言う前の家主たちに、tamaはすっかり落ち込んでしまった。
引っ越してきたときは、喜んで外を走り回っていたのに、外には全く出ようとしなくなった。
家の中にいても、どこか隠れるように、オドオドした感じになってしまった。精神的に参ってしまったようだ。
畑に連れていっても、全く車から外に出ようとしなくなった。出ても、すぐに車の中に戻ってしまう。

折角、tamaも含めてみんなで楽しく過ごせると思ったのに、tamaにとっては大変なところに引っ越してしまったらしい。
と言っても、今更、前すんでいた団地に戻るというわけにも行かないし。。。

夏の終わりのある日、家族は2泊3日で出かけた。
私は、tamaの餌をてんこ盛りにして会社に出かける。

家族が帰ってくる日、家に帰るとtamaの姿が見えなかった。
虫よけに張った網を押し破るようにして出かけた跡があった。

以来、tamaは我が家に帰って来ていない。
一体、どこへ放浪の旅に出かけてしまったのだろうか。

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