多古町大定住計画

田舎のしきたり:同じ「くるわ」でも組が違う不祝儀
(2001年5月6日記)

3月のある日、ご近所でおばあちゃんが亡くなったと言う知らせ。
同じ「くるわ」なんだけど今回は組が違うので、手伝い(ハタラキ)の仕方も違ってくる。
丁度1年前に同じ「組」のご近所さんで不祝儀があり、そのときは1軒でまるまる2日間、男手と女手のハタラキがあった。女性の場合は告別式の翌日も後片づけに行くので3日間のハタラキになる。

今回は「くるわ」は同じでも組が違うのでハタラキの内容も違ってくる。今回は男手だけ、それも告別式の日の1日だけのハタラキで良いとか。
その辺りは事前にお隣さんに色々と教えて貰った。最後に「米、5合、持ってけよ」と言われた。
あ、前もそんなのがあったなぁと思いつつ。。。

2日ほど前、亡くなった「組」の世話役を頼まれた人が二人でやってきて「何時によろしく」とハタラキの依頼。この辺は、依頼する方される方、キチンとしている。

ハタラキの朝、8時集合。米を5合持って出かける。
すでに半数以上のくるわの人たちが集まっていた。さて何を。。。
1年前と同じで、カジキマグロ、椎茸、揚げ豆腐等の煮付け作り。今回はJAや会社関係の弔問客が多く見込まれるので煮付けの量もフツーではない(^^; やってもやっても終わらないって感じの量だった。

煮付けを作りながら隣で祝儀袋にお祝いの千円を詰めてくれと言われた。
不祝儀なのに祝儀とは?と思うも、長寿のお祝いとお礼の意味で会葬御礼と一緒に渡すとか。この祝儀袋の数も半端ではない。これだけで○○万円(゚0゚)!!
みんなで「すげーなぁ」と話しながらセッセと袋詰めの作業をこなす。

さてはて、今回は我が家は隣の組になるので、お隣さんと出棺のカネと太鼓を受け持つことになった。
お隣さんがカネをやるからこっちは太鼓ということになった。叩くタイミングが分からない。お隣さんが「おれがチーンと叩いたらドーンと叩けばいいよ」ということで、後でリハーサルをやろうということになった。
たたき方は「チンドン、チンドン、チンチンドンドン」のハズだと、みんなが言う。不祝儀ってそんなに頻繁にあるわけではないから、誰もしっかりとは覚えていない。ま、なるようになるか、って思っていたら。。。

出棺の時間になった。あれ、リハは。。。? リハなしでいきなり本番に突入してしまった。
先頭に笹を持った人、次にカネ、太鼓、お坊さん、遺族、参列者の順で、墓地まで行列を作って歩く。
いざ出発!
「ハイ、 太鼓!」。後ろで坊さんが言う。「え、カネじゃないの?」と思う。話が違わなくな〜い?
お隣さんがカネをチ〜ンとならしてくれた。それを合図に太鼓をド〜ンと叩く。チンドンチンドン。。。
とならし始めたら、またまた後ろで坊さんが言う。「太鼓が先だよ!、太鼓を叩いて!、ほら太鼓に叩き方が書いてあるだろ」。「そ、そんな急に言われても(^^;」
「ドンチンドンチン、ドンドンチンチンって叩くんだよ!」。「そ、そっすか(^^;」。逆じゃんかぁ。

「もっと 強く叩いて、太鼓!」、「うるさいんだよなぁ、もぉ(^^;」
何とかリズムが合ってきた。墓地の手前の坂道で坊さんが言う。「疲れただろ、少し休んだら」、「え、これって休んでいいんすかぁ?」

鼓(つづみ)を少し大きくしたような太鼓(だから太鼓って書くんだ(^^;)なんだけど、ず〜っと持ってると結構重くなる。「ひやぁ、助かったぁ」と正直思った(^^;
坊さんが言う「あんた、見かけん顔じゃな」、「あ、4年前に引っ越して来たんです」。お隣さんが補足してくれる「うちの隣だよ」。「そうか、どうりで見かけん顔じゃと思った。挨拶がなかったから分からんかったぞ」。冗談とも本気とも思われる言い方ではないかぁ(^^;
「で、こっちに来る前はどこに住んどった?」、「千葉市です、稲毛の近く。実家は九州ですけど」、「九州のどこじゃ?」、「宮崎県の延岡です」、「そうか、わしの誰それが熊本におるぞ」、「あ、そうなんすか」。。。
大きな声でこんな会話が続く。葬儀だと言うのにこんな世間話をして良いのかなと思いつつ(^^;

墓に到着。
先に行っていた納骨担当の二人が待ち受けていた。納骨担当の人が笹に火けて場所のおはらい?をする。
墓地の真ん中にある遺骨を置く台座(何て言うのかな?)の周りを坊さんと遺族が6回廻る。それで納骨。
実家のある九州の田舎とは随分やり方が違うなぁと思いながら見ていた。

カネを担当したお隣さんが「じゃ、俺らは用済みだから帰っべ」と言うので、もっと見ておきたかったけど別の道から帰りはじめた。坊さんも遺族を置いてさっさと戻って行く(^^; 先に戻って今度は初七日の準備をするらしい。

墓地からみんなが帰ってきた。 ついで初七日に入る。終わってまた遺族だけで墓参り。
戻ってきて、ハタラキの人たちへのお礼の宴席。
結構、大変ではある。


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